みやこやスタッフブログ 振袖について

振袖の柄 幾何学模様にも意味がある!? 〜【有職文様】編〜

皆さんが振袖を選ぶ際に重要視するのは何でしょう。
まずは色から入る人も多いのではないでしょうか。ですが振袖は、色だけでなく美しい柄があってこそ。

振袖の柄には縁起の良いものが数多く存在します。
御所車や松竹梅、檜扇に宝尽くしなど、華やかな吉祥文様は目を見張るものがあります。

しかし、着物の柄の中にはそれだけでなく、
有職(ゆうそく)文様という中国から伝わった伝統的な文様も存在します。
吉祥文様と比べると華やかさに欠けると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
吉祥文様に負けず劣らず美しく、沢山の意味が込められているのです。

今回は有識文様の中でも、振袖やその小物に多く使用される柄を紹介します。
まだ振袖選びが済んでいない方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
既に振袖を選んだ方は、今から紹介する文様が選んだ振袖の中に隠れていないか探してみてください。

 

有職文様とは

有職文様とは、元は大陸から流れ着いた文様です。
その後、遣唐使が廃止される頃に国風文化を経て形を少し変えて日本独自の文様として定着したもののことをいいます。

平安時代以降に公家の建築や調度品、服飾に使用されており、
一般庶民は使用を禁じられていたどころか、お目に掛かることさえできなかったとか。

有職故実をご存知ですか?有職故実とは、先例(朝廷や公家、武家内での伝統や風習など)のこと。
また、その研究の事を指します。特権階級では特に先例が重んじられており、
文様も位階や官職によって振り分けられ固定化されていきました。
それが後世に受け継がれ、「有職文様」となったのです。

有職文様には左右対称など、規則的な形をとっているものが多く見られます。
幾何学模様のように使用することができ、
古典的な柄でありながらモダンな着こなしのできる、不思議でおしゃれな文様なのです。

 

次は、実際に振袖でよく使われる三種類の文様を見ていきましょう。

 

七宝

七宝は振袖だけでなく帯にも多く使われる可愛らしくもおしゃれな柄ですが、実は沢山の意味があるのです。

まず、七宝は文字の通り「七つの宝」という意味で、仏教用語でもあります。
「金」「銀」「瑠璃」「玻璃(クリスタル)」「しゃこ(貝殻)」「珊瑚」「瑪瑙(メノウ)」の七つは、
極楽浄土を彩る宝とされています。

更に、仏教では「七」や「三」が吉を呼ぶ数字とされているので、縁起も良いのです。

また、七宝つなぎは円が重なり続いていきますが、その円は「縁」と掛けられています。
連なる円が人と人との繫がりの「ご縁」や、子孫繁栄も表しています。
逆説的に、人と人を繋ぐご縁は、七宝ほどの価値があるとも言うことがあります。

 

 

亀甲


亀甲は幾何学模様(亀甲つなぎ)として古典柄にもモダン柄にも使われる代表的な有職文様です。
長生きをする亀は、縁起の良い生き物されています。
その長寿の象徴である亀の甲羅を模したのが亀甲文様です。

亀卜(きぼく)という占いをご存知でしょうか。
亀卜は亀の甲羅を使った占いのことで、邪馬台国の卑弥呼が行っていたことで有名ですね。
古墳時代に伝わったといわれる古い占いで、
亀の甲羅を焼いて、そこに現れたひびを神の御心としていました。
古くから亀は神聖な生き物とされていたのがわかりますね。

また、亀甲が連なりその形が崩れないようになっていることから、
繁栄の願いもこめられているのです。

 

 

矢羽根・矢絣


矢羽根や矢絣は、卒業式の袴に合わせる小振袖のイメージがありますが、
成人式で着用する中振袖にも使用されることのある、格好良くも可愛い柄です。
中振袖ではモダン柄のものが特に多い印象ですね。

弓で射た矢はまっすぐ飛んで戻ってこないことから、
悪いものを払う「魔除け・厄除け」の意味があります。
お正月に神社などでもらえる矢も、ここからきています。

また、出戻らないようにという願いを込めて、
嫁入りする女性に矢羽根の着物を持たせるという風習もあり、
そこから未婚女性の象徴する柄となっています。

 

まとめ

今回は振袖で使用される代表的な有職文様を三種類紹介しました。

しかし、有職文様は数えきれないほど種類がある上に、派生まであります。
亀甲だけでも亀甲の中に花のあしらわれた「亀甲花菱」、
十字があしらわれた「十字亀甲」、巴があしらわれた「亀甲に巴」など、
他にも華やかな文様が沢山存在します。
どれも可愛らしくて迷ってしまいそうですね。

吉祥文様にも負けない華やかさや、込められた願いを知った上で振袖を選べば、
一段と思い出に残る楽しい振袖選びになること間違いなしです。

吉祥文様が気になる方や、振袖に描かれたお花の意味が知りたい方はこちら↓の記事を参考にしてみてください。

【振袖の模様に込められたあたたかな願い】(https://kimono-miyakoya.jp/blog/7644/)

**********************

みやこやでは引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止対策をしながら営業しております。

お客様の健康と安全を第一に考え、ご来店の際は事前のご連絡をお願いしております。

密を防ぐため、お時間の調整をお願いする場合がございます。予めご了承ください。

>>ウェブから来店予約する[24時間受付中]

>>電話をかける
・足利店 0284-70-6788(年中無休)
・太田店 0276-30-3399(火・水定休)

>>問い合わせから質問する

みやこやは栃木県足利市、佐野市、群馬県太田市、館林市など両毛地区から多くのお客様にお越しいただいております。
成人式の準備や振袖の前撮り撮影に関するお手伝い、着物に関するご相談は、老舗の着物専門店みやこやへお気軽にお声がけください。

**********************