和装とは、和服である着物を着用した姿・装いのことです。
日本人として大切に守っていきたい和装文化ですが、残念ながら多くの人びとにとっては、着物自体があまりなじみのないものになってきています。
その一方で、最近では海外から日本に観光に訪れた人々が、京都などで衣装レンタル店を利用して着物を身に着け、街歩きを楽しむ姿もよく目にするようになってきました。海外の人々にとってそれだけ着物は魅力にあふれているということであり、日本が世界に誇る民族衣装なのです。
着物の良さを再発見し、未来に受け継いでいくために、今から私たちにもできることを考えてみましょう。
着物の歴史を振り返ろう!
まずは日本の伝統衣装である着物の歴史を簡単に振り返ってみましょう。着物の起源と言われることの多い弥生時代の衣服から、現在の着物の原型が生まれた平安時代までの流れと、さらにその後の変遷をたどります。
弥生時代
弥生時代は、女性であれば、一枚の布に穴を開け、頭を通して着る貫頭衣(かんとうい)を着用し、男性は、布を体に巻きつける巻布衣(かんぷい)を身に着けていました。この貫頭衣や巻布衣が着物の起源といわれています。
古墳時代
古墳時代になると、衣服はツーピース状になります。大陸の衣服に倣ったとされており、男女ともに筒袖のついた上着を着て、男性はズボン、女性はスカートのような下衣を合わせていました。絹織物も作られるようになりましたが、絹の衣服を着用できるのは権力者などの特権階級のみでした。
飛鳥時代・奈良時代
飛鳥時代・奈良時代には、遣隋使や遣唐使によってさまざまな大陸の文化がもたらされます。支配階級の服装は、位により、礼服(らいふく)・朝服(ちょうふく)・制服(せいふく)の3つに分けられ、庶民は、動きやすい服装である胡服(こふく)を着ていました。また元正天皇が発令した「衣服令(えぶくりょう)」(719年)によって、衣服の前合わせが右前と定められます。
平安時代
平安時代には遣唐使が廃止されたこともあり、日本の気候風土や生活習慣に合わせた独自の衣装文化が発展しました。貴族(公家)の男性は「束帯」、女性は「十二単(じゅうにひとえ)」をまといました。この時代に庶民が着用していた「小袖」が、現在の着物の原型です。
鎌倉・室町時代~
鎌倉・室町時代では、動きやすく実用的な小袖が主流となりました。小袖の形も変化し、それまでの筒袖の小袖と区別をするために、たもと付きの小袖を指す「着物」ということばも生まれました。
桃山時代・江戸時代
桃山時代は、華やかな文化を背景として小袖も派手なものへと変化。さらに江戸時代になると、染織や描き染の技法が発達し、小物使いや帯のアレンジ、髪型などを工夫し、全身で着物コーディネートを楽しむようになりました。
明治・大正時代~
明治・大正時代には、洋装文化の影響で、着物の色柄も洋風なものが出現しました。そして西洋の生活様式が定着するにつれて、着物は行事や儀式などで着用する「特別なもの・ぜいたくなもの」という扱いに移行していくことになります。
その後昭和に入り、戦後や高度経済成長期には着物の生産量が増えました。しかしバブル崩壊後の消費の低迷などもあって着物を購入する人も徐々に減り、染めや織など着物の制作に関わる後継者が不足するなど、現在にいたるまで着物文化の低空飛行が続いているのです。
着物文化を未来に受け継ぐためにできること
日本が世界に誇るべき美しい着物の文化を、次世代に受け継いでいくためにはどうしたらよいのでしょうか。
その答えは、何をおいても私たちがさまざまな機会を利用して着物を着用することです。そうすることで、着物をまとう文化とともに、着物や帯・小物類を作るための伝統技法という文化も廃れずに続いていくでしょう。
「そうはいっても、最近ではあまり着物を着る場面がないし…」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は着物を着用することのできるシーンは、皆さまが想像するよりも多いのです。一般的によく知られている機会も含め、ご紹介していきましょう。
着物を着用できるシーン
着物を着用できる主なシーンは以下の通りです。
・二十歳の記念式典(旧成人式)
・結婚式のゲストとして
・ご自身の結婚式で花嫁衣装として
・初詣などお正月の機会
・特別な会食の席
・歌舞伎などの観劇
・歴史的建造物や日本庭園
・博物館・美術館
・さまざまなパーティー
・お茶やお花、日舞などのお稽古ごと
ひとつずつ説明します。
二十歳の記念式典(旧成人式)
振袖を二十歳の記念式典で着用することは、まさに着物文化を次世代に引き継ぐことにつながります。二十歳の記念式典は、一生に一度のハレの日です。ご自身とご家族にとって大切なオケージョンシーンだからこそ、日本が誇る美しい振袖をまとって参加しましょう。
>>二十歳の記念式典(成人式)以外での振袖着用シーンはこちら
結婚式のゲストとして
ご友人やご親族の結婚式に招待されたら、ぜひ着物を着て出席しましょう。未婚であれば、未婚女性の第一礼装である振袖を着用することをおすすめします。振袖は格が高く、新郎新婦への敬意を表すことにもなります。また「色留袖」や「訪問着」は、未婚・既婚を問わずに着ることができます。既婚女性が、近しいご親族の結婚式に出席される場合は、家紋の入った「黒留袖」の着用が、和装の第一礼装として品格があります。
ご自身の結婚式で花嫁衣装として
花嫁が着用する白無垢や色打掛・引き振袖などは、まさに最も美しい日本の伝統的な民族衣装と言えるかもしれません。ウェディングドレスもよいですが、日本で結婚式を挙げるのであれば、ぜひ和装も取り入れましょう。
初詣などお正月の機会
初詣などのお正月の機会にも着物を着用しましょう。新たな年に日本の伝統衣装を身にまとうことで、気持ちが引き締まります。二十歳の記念式典用に振袖を購入している場合は、ぜひ振袖を着用して出かけましょう。振袖の華やかさと高貴さが、新年にぴったりです。
特別な会食の席
いつもよりもあらたまった会食の場などにも着物を着て参加しましょう。懐石などのような日本料理だけでなく、たとえば高級なイタリアンやフレンチのレストランにも、日本の着物なら品格のある正装としてマッチします。着物を着ることで背筋ものび、自然と美しい所作でお食事ができることでしょう。
歌舞伎などの観劇
歌舞伎などの伝統芸能観劇の際に着る服装としても、同じく日本の伝統的衣装である着物はふさわしいと言えます。未婚の方であれば、ぜひ振袖を着て出かけましょう。また正礼装の着物は、オペラなど外国が発祥の芸術を堪能する際の衣装としてもふさわしいといえます。
歴史的建造物や日本庭園
歴史的建造物や美しい日本庭園を訪れる際にも、着物を着用することでより日本の文化に深く触れることができます。景色と着物がリンクして、タイムスリップしたような感覚も楽しめることでしょう。もちろん写真映えの点からも最高です。
博物館・美術館
博物館や美術館へも、着物を着て訪れることをおすすめします。日本の伝統衣装をまとって歴史的価値のあるものや芸術作品を鑑賞すれば、より展示品の歴史的価値・芸術的価値に対するアンテナが敏感になり、いつも以上の没入感が味わえることでしょう。
さまざまなパーティー
もしパーティーに招かれるようなことがあれば、着るものに迷う必要はありません。正礼装の着物を着ていくことで、ご自身の華やかさと品格、主催者への敬意の表明、すべてが叶います。
お茶やお花、日舞などのお稽古ごと
茶道や華道、日舞、琴・三味線など和のお稽古ごとでは着物は日常的に親しまれています。初釜や発表会では着物がデフォルトの装いともいえ、日本の伝統文化好き女子には必須の身嗜みとなっています。
>>着付け教室や着物イベントなど、もっと着物を楽しみたい方はこちら
和装文化を守るために、着物を積極的に着よう!
ここまで着物の歴史と、その和装文化を守るためにできることについて見てきました。着物はただ美しいだけではなく、貴重な伝統技法によって仕立てられる日本の誇る伝統衣装です。
日本の長い歴史とともに歩んできた和装文化を後世に引き継いでいくために、私たちはもっとさまざまな機会に積極的に着物を着用するべきです。そしてその魅力をご自身が味わうだけでなく、見る人びとにも感じてもらいましょう。
そして多くの人にとって、着物文化に触れる一番身近な機会は二十歳の記念式典の振袖です。振袖は二十歳の記念式典で着用したあとも、未婚の間は着用できる日本の正礼装です。様々なシーンで着用し、着物に慣れることで、ご結婚後も留め袖や訪問着などを気軽に楽しむ素地ができあがるでしょう。
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