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振袖の小物を選ぶポイント

 

「成人式の振袖は着物を選べば終わり」と思っていらっしゃるお母様も多いかもしれません。実は振袖を着るためには、着物以外にも揃えなければならない小物が案外多いのです。面倒に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、洋服とは違ったコーディネートを考えるのはとても楽しいですし、可愛らしい小物は見ているだけで心踊ること間違いなし。ぜひ楽しんで選んでいただきたいと思います。

今回は振袖に合わせる小物の選び方についてお話します。小物選びの参考にしてみてくださいね。

 

半襟と重ね襟

 

「半襟と重ね襟なんて目立たないんだから何でも良い」なんて思っている方はいらっしゃいませんか?

半衿と重ね衿は顔に一番近いので、顔映りの良い組み合わせにすることが大切です。選び方を間違えるとせっかくの全体のバランスが悪くなってしまうかもしれません。

 

半襟

華やかな振袖には装飾性の高い半襟が合いますが、古典風にも、現代風にも、さまざまなバリエーションのなかから、選ぶことができます。

振袖全体のコーディネートにテーマを持たせると半衿を選びやすくなります。

伝統的で大人っぽい印象を持たせたい場合は、白地に白の刺繍の落ち着いた半衿や、優しい色合いのものを選ぶと、はずれはないでしょう。逆にモダンな印象を持たせたい場合は、市松模様やストライプ柄の半衿を使うと大胆で個性的に見えます。

成人式の振袖には半衿は華やかなタイプを合わせるのが主流です。小さな面積ですが重要なコーディネートポイントである半衿なので、お気に入りを見つけましょう。

重ね襟

最近ではビーズが縫い付けられていたり、スワロフスキーがあしらわれていたりする重ね襟もあります。

重ね衿は、半襟と着物の間に挟むように着け、重ね着をしているように見せる小物です。あえて振袖の地色と同系色を使い、グラデーションを作ってみても上品で美しいですが、ピリリと色を効かせてアクセント的な使い方をすることが多いです。振袖の柄に使われている色から、一色を持ってくると統一感が出ます。また、振袖に使われていない色にしてみるのもメリハリが出ますが、その場合は帯揚げや帯締めと色をリンクさせるとバランスが良くなります。

 

ポイント

・振袖には豪華な刺繍半襟や柄物の半襟を

・振袖コーディネートのテーマを決めると選びやすい

・顔に一番近いので、合わせたときに顔映りの良いものを

 

 

帯は振袖の次に目立つ小物です。振袖に合わせる帯は「袋帯」という種類になります。

帯は長い間大きな変化のなかった地味で細長いだけの小物でした。しかし、江戸時代の中期に歌舞伎の女形がより女性らしさを演出するために、幅の広い帯を背中で締めるようになってからというもの、女性たちの間でその美しい姿が流行し、現在の帯の形に近付いたのです。

そんな帯の選び方ですが、数多くのなかから振袖と合う一本を選び出すのは実は難しいかもしれません。着物に詳しいプロのアドバイスを参考にすると安心です。

基本的に振袖に使われている色柄とのイメージが合っていれば間違いありません。ただ、振袖と帯が似たような色柄だと、それだけでは帯が引き立たないので、帯締め・帯揚げとのバランスが重要になってきます。カラーリングの組み合わせで、振袖姿にメリハリを出すことができるのです。

 

ポイント

・古典柄の振袖には古典テイストの帯、モダン柄の振袖にはモダンなデザインの帯を合わせる。

・帯締め、帯揚げとの色のバランスによっても印象が変わる。

 

帯揚げ

 

帯揚げは帯を引き上げる帯枕を包むアイテムですが、振袖と帯の間にくるのでコーディネートをする上でも重要になってきます。

例えば、「手持ちの帯を使いたいけれど、新しく購入した振袖とは相性がイマイチかもしれない」と思った場合でも、帯揚げの色を工夫することで調和を高めることもできます。

振袖と帯が同系色なら、全く違う色を持ってきましょう。振袖や帯が派手な色味の場合は淡い色の帯揚げを、シックなカラーの振袖と帯には鮮やかな赤系の帯揚げを合わせるなど、体の真ん中にくる帯周りのバランスをとることがコーディネートの印象を左右します。

また、最近の振袖の柄にはたくさんの色が鮮やかに配されていることが多いですが、そんな場合には着物か帯に使われている色の中から一色とって、帯揚げと帯締めを同じ色にするのも統一感を出す方法の一つです。

絞りの帯揚げの他に、柄物、刺繍が入ったタイプもあります。ノーマルな着付けの他に、帯の上に幅を広めに出して見せたり、花の形に結んだり、ツイストしたりと、振袖ならではの華やかなアレンジも多彩に楽しめます。

 

ポイント

・先に決めた振袖と帯に合わせて、コーディネートを引き締める役割

・色を効かせてアクセントにも、逆にあえてなじませても

・結び方、出す分量もアレンジが可能

 

帯締め

 

帯締めは振袖の中でも最も小さい小物の一つですが、帯が崩れないようにする役割を担っている、着付けるうえでの大事なアイテムでもあります。

シンプルなものから、美しいつまみ細工やパールの飾りが付いたものまで、さまざまなものがあり、アクセサリー感覚で選ぶのも楽しいものです。

「大人っぽい印象の振袖を選んだけれど、もう少し可愛くしたい」というお嬢様は、ぜひお好みで可愛らしい帯締めを選んでみてください。さり気ないワンポイントが、お嬢様の魅力をグッと引き上げること間違いなしです。

帯締めを選ぶ時は、振袖や帯に使われている色を帯締めにも取り入れると良いでしょう。そうすると全体にまとまりが出ます。帯と同系色の物を選ぶと上品に見えますし、脚が長く見える効果もあります。

また、振袖の帯締めは華やかな飾り結びのアレンジが楽しめます。結び方によって花の形、リボンの形など、豪華な印象を盛り上げるアレンジはこだわりを表現できますね。

また、帯留め飾りを使うこともできるので、すてきなものを探してみるのもおすすめです。

 

ポイント

・可愛らしい飾りのものも多く、アクセサリー感覚で選べる

・結び方のアレンジによって自分だけのおしゃれを楽しめる

・帯留めを合わせて個性を出すことも可能

 

髪飾り

 

髪飾りはつまみ細工や造花タイプなどが一般的です。和風のデザインだけでなく、洋装にも合わせられるようなタイプも増えています。

お嬢様によっては、振袖よりも髪飾りの方に関心が高い方も多いかもしれません。

振袖の柄の色に合わせたり、振袖の模様と同じお花のモチーフを選ぶと、全体にまとまりが出ます。

また、クールなイメージにしたい方はかんざしを、可愛いイメージにしたい方はリボンを編み込んだり、パールピンを使ってみると、一味違ったおしゃれを演出することができます。生花を挿して特別感を味わうのも良いですね。

振袖と相性も大事ですが、何より、髪型と組み合わせて考えるものなので、髪の毛の長さ、色、アレンジはどうするか? を踏まえて最もマッチする髪飾りを選びましょう。

 

ポイント

・顔まわりに付ける髪飾りは十分吟味してご本人が気に入るものを

・振袖や髪型とのバランスをとって選ぶ

 

バッグと草履

 

バッグと草履はセットで販売されているものが多いです。というのも、手元と足元を揃えると、全体のバランスが良く見えるからです。

しかし、全体のバランスが取れているのであればバッグと草履は別々で用意しても問題はないため、お気に入りのバッグを使っても良いでしょう。最近では、エナメルや革のバッグを使っている人も多く見かけますね。ですが、一つだけ注意を挙げるとすれば、バッグは必ず小さめのハンドバッグタイプを選ぶということです。

草履のかかとの高さは、高ければ高い程格式が高いと言われており、5cm以上の舞妓さん風の物も人気ですが、35cmのものが無難です。サイズはかかとが草履から1cm程はみ出しているのが美しく見えるとされていますが、振袖自体になれていない場合は、無難な高さの、自分が歩きやすいと思った草履を購入しても問題ありません。安全第一ということを忘れず、楽しい成人式を迎えましょう。

バッグも草履も、金や銀を基調としたものが格式高いとされていますが、振袖や帯など、全体の色味のバランスを見て選びましょう。振袖や帯の地の色ではなく、あえてポイントカラーになる模様の色を取り入れるのも、まとまってみえますよ。

 

ポイント

・手元(バッグ)と足元(草履)を合わせると、全体にまとまりが出る

・バッグは必ず小さめのハンドバッグタイプのものを選ぶ

・フォーマルなので基本は草履のかかとは高め。歩きやすい草履を選ぶ

 

足袋

 

足袋は、真っ白なものを用意しておけば間違いありません。

足元にもどうしても華が欲しいという方は、お花や毬、うさぎなどのワンポイントの刺繍が入った足袋も販売されています。

他にも、カラーものや柄の入ったものも最近の流行りで、特にモダンなイメージで振袖を着たい方にはおすすめです。

 

ポイント

・迷った場合は白い足袋を選べば間違いなし

 

まとめ

 

振袖は洋服とはコーディネートの仕方が全く違います。振袖も小物も柄物が中心で、色も鮮やかなのでどう組み合わせたら良いか難しく感じますが、小物1つで印象を180度変えることができ、とても面白いものです。ぜひご家族で楽しみながらお選びください。

振袖も小物も洗礼された華やかな装いで、人生に一度の成人式を良い思い出にしましょう。