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振袖の身のこなし方【後編】

 

今回は、振袖の身のこなし方の後編です。

前編をまだ読んでいないという方は、こちらも併せてお読みください。

>>「振袖の身のこなし方【前編】」

 

落とした物の拾い方

 

落とした物の右側に立つと拾いやすいです。右袖を右手にかけて、左袖と上前裾を右手でつまみます。前かがみにならないようにしゃがみ、左腕が地面と垂直になるようにして、落としたものを拾います。裾が開くと着崩れてしまうので、動作は必ずゆっくり行います。

ポイント
・裾が開かないように注意する

 

階段の上り方と下り方

 

階段の上り下りでは裾と袂を引きずったり、踏んでしまう可能性の高い場所です。左手にバッグを持ち、その腕に両方の袂を掛け、右手で上前裾を引き上げて上り下りします。

視線は必ず足元に向けましょう。体を少し斜めにすると動作が楽になります。一歩いっぽ、安全に上り下りしましょう。階段を振袖姿で下りる姿は非常にエレガントになり得ますが、安全第一です。

エスカレーターを使用する際も同様です。裾や袖が巻き込まれないように注意してください。

ポイント
・安全第一
・袂と裾に注意
・一歩いっぽ確実に

 

車の乗り方と降り方

 

荷物は先に車の中に入れておきます。まずは袂を膝の上で重ねましょう。それから後ろ向きに座席に腰かけ、両足を揃えて持ち上げながらお尻を軸に体を90度回転させ乗り込みます。降りる際は逆の動作をしてください。頭から先に車内に入ることのないようにしましょう。

イスに座る場合と同様に帯が潰れてしまわないように、背もたれは使わず浅く腰かけます。髪型が崩れてしまうというアクシデントが一番起きやすいのは車の乗り降りの際です。頭を軽く下げながらゆっくり動きましょう。

ポイント
・頭上注意
・頭より、お尻を先に車内に入れる
・背もたれは使わない

 

手の上げ方

 

上げる方の袖口を反対の手で軽く掴み、肘を曲げて腕を上げます。

袖口を掴まずに大きく手を上げてしまうと、肘や二の腕が露出してしまうので、品のない印象を与えてしまいますし、着崩れの原因にもなります。

手を振る時や、乾杯の際にも必ず行いましょう。

ポイント
・肘や二の腕を露出させない

 

トイレの行き方

 

洋式トイレを選びましょう。最初に袂をきものクリップで帯に挟み込みます。次に振袖、長襦袢、裾よけの順に一枚ずつ裾をまくり上げて挟みます。トイレが終わったら逆の順番で下していきます。

トイレを出る前に裾やおはしょりがめくれていないか確認しましょう。特に後ろのおはしょりはめくれやすいので注意が必要です。めくれていた場合は手で軽く撫でて元に戻しておきます。

トイレは下を向いて行う動作が多いので、ハンカチを顎の下に挟んでおくとファンデーションやリップが振袖に付くのを防ぐことができますよ。

ポイント
・着物クリップがあると便利
・振袖、長襦袢、裾よけの順に一枚ずつまくり上げて挟む
・トイレから出る際は裾やおはしょりが乱れていないか確認

 

手の洗い方

 

最初にハンカチを用意しておき、襟元に挟んでおきます。袂を着物クリップで帯に挟んでから、袖口を折り返し濡れないようにします。振袖が濡れてシミになることを防ぐために、水の勢いを調整できる場合は緩く出しましょう。

ポイント
・振袖が濡れないように注意
・水の勢いは緩めに

 

 

食事の仕方

 

ナプキンを襟元に挟みます。体とテーブルの間の隙間はこぶし一つ分ほど空けておきましょう。心配な方は膝の上にハンカチを広げておくと、振袖を汚すリスクが減ります。

お料理やグラスに手を伸ばしたり、調味料などを受け渡しする際は、袖が汚れないように袖口に手を添えます。

グラスに付いた水滴が振袖に付いてしまうとシミになってしまいますので、グラスはなるべく紙ナプキン越しに持ちましょう。

ポイント
・襟元にナプキンを挟む
・大き目のハンカチを膝の上で広げるとより汚れない
・手を伸ばす際は袖に気を付ける
・グラスの水滴にも注意

 

まとめ

 

振袖で出歩くのは確かに大変なことです。しかし、振袖を着こなし、美しい立ち振る舞いをすることで、ワンランク上の大人の女性になることができます。

振袖は成人式だけでなく、さまざまなお祝いの席に身で着けることができるので、成人式以降も着る機会が何度かあるかもしれません。また、振袖での所作は、振袖以外の着物の所作に通ずるものが沢山あります。つまり、振袖での所作を覚えるということは、一生使える身のこなしを身に付けるということにもなります。

成人式は大人への第一歩。これを機に、一生ものの身のこなしを身に付けて、美しい大人の女性への階段を上りましょう。