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皇室と着物、美と格式を継承する女性皇族の振袖を紹介!

天皇陛下のご長女、愛子内親王が成人を迎えられ、成年皇族となられました。
大変おめでたいことですね。

未婚女性の礼装は振袖ですから、
愛子さまも振袖をお召しになり、国内外で活躍される姿が目に浮かびます。

そこで気になるのが「皇室ならではの振袖とはどのような着物?」ということ。
一般家庭との違いはあるのでしょうか?
ここでは皇族方のご公務、宮中行事から皇室と着物の関わり、
女性皇族の振袖について紹介します。

 

皇室の正式衣装

一般の成人式にあたる成年の儀で、愛子さまは洋装でお出ましになりました。
女性皇族は成年の儀において振袖ではなく、
ローブデコルテ、洋装を着ることが定められています。

振袖は一般では未婚女性の第一礼装として成人式で着用しますが、
皇室では準礼装、セミフォーマルの格付けなのです。

成年の儀は皇室行事の中でも、愛子さまが主役となる重要な儀式です。
そのため、女性皇族の正礼装である、
ローブデコルテにティアラという最も格式高い衣装でした。

明治時代の欧風化政策により、皇族の正式衣装は洋装と決められています。
皇族は成年の儀で天皇陛下から宝冠大授章を授かりますが、
和服では勲章を着けられないというのも、洋装が正式衣装となった理由の一つのようです。

洋装が正式衣装であっても、皇族方は和服を愛し、
着物の持つ美と格式を継承しておられます。
国内外のご公務に訪問着、振袖は欠かせません。

皇族の準礼装である振袖を、愛子さまは母校学習院高等科の同窓会、
『二十歳の会』でお召しになったとのことです。

リモートでのご出席でしたが、愛子さまの笑顔と、
純白に金の模様が入った振袖の輝かしさに参加者たちは歓声を上げた、
と伝えられています。

 

女性皇族が振袖を着るご公務・儀式

女性皇族が振袖を着るご公務、儀式を紹介します。
女性皇族は振袖を着る際、色半襟や柄半襟は用いません。

伊達襟も使わず、白一色の襟を際立たせます。
衣紋も余り抜かず、清楚に品良く着付けます。
縁起の良い古典柄をあしらい、伝統に乗っ取った着付けや帯結びが特徴です。

 

納采の儀

一般の結納にあたる儀式で、皇室の使者が供物を持って、相手方の自宅へ出向きます。
雅子さま、紀子さまは美智子さま、香淳皇后から継承した帯を締めておられました。
一般家庭の結納では女性は振袖を着て先方を出迎え、
父親はスーツ、母親は留袖が多く見られます。
近年では結納の習慣が薄れつつあり、
洋服を着てホテルなどで行われることも多くなりました。

 

宮中饗宴の儀

結婚の儀において女性皇族は十二単ですが、
一般の披露宴にあたる宮中饗宴の儀ではお色直しに振袖を着ることがあります。

雅子さまは白地に束熨斗柄の振袖を着ておられました。
一般でも独身最後の記念にと、好んで振袖を着る新婦の姿が見られます。
宮中饗宴の儀では、新郎新婦以外の皇族方は、
色留袖、訪問着で出席される方が多く、諸外国の来賓に喜ばれているようです。

 

園遊会

国民が天皇陛下ご一家と拝謁する数少ない機会です。
未婚の女性皇族と同様に、招待された未婚女性は振袖を着ています。
既婚の参加者は色留袖、訪問着が多いですね。
黒留袖は既婚女性の第一礼装ですが、皇室は黒を余り用いないので、
一般もそれに倣い、園遊会では色鮮やかな装いとなっています。

 

皇室外交

成年皇族が諸外国を訪問する際、
相手方の国から「キモノでおいでください」との要望があるそうです。
秋篠宮家の眞子さま(現小室眞子さん)、
佳子さまは振袖姿で皇室外交に臨まれています。

訪問国のイメージカラーに染めた着物や帯を身にまとい、
華麗で礼を尽くした女性皇族の外交姿勢は、海外から多いに賞賛を浴びました。

 

女性皇族の帯結び、ふくら雀

ゴム製の三重紐が普及し、振袖の帯結びはより豪華に、
よりオリジナリティ溢れるものへと進化しました。
成人式では美しく複雑な帯結びが溢れ、会場を華やかにしています。
しかし皇室ではこうした新しい帯結びは一切用いないようです。
皇室の未婚女性が振袖に締める帯結びは「ふくら雀」です。

振袖は元々武家の令嬢が着る着物で、帯結びはふくら雀か、文庫結びが通常でした。

ふくら雀は雀が寒さをしのいで身を膨らませる様子を表したもので、
伝統的な帯結びの一つです。
「福と繁栄を願う」という縁起の良い結び方で、
おめでたい場所、格式ある儀礼に適しています。

伝統ある帯結びでありながら、現代生活にも利に適った結び方といえます。

両の羽を肩幅まで出し、たれをお太鼓に作るので、
身長の高さに合わせて調整が可能です。

基本に則ったひだの取り方で、きれいに仕上がります。
お太鼓タイプのふくら雀は車に乗ったり、
椅子の背にもたれたりしても崩れることなく、美しい曲線を保っていられます。
女性皇族がふくら雀を定番の帯結びとしているのは、
古い伝統に加えて、こうした利便性にも理由があるのでしょう。

女性皇族の正装は洋服ですが、
特定のご公務、儀式で着物をお召しになっておられます。

皇室外交では女性皇族が振袖姿で友好親善に尽力し、
諸外国から賞賛されました。
ぜひ皆様も日本の民族衣装「振袖」を着て、
和の魅力を体感してみてくださいね♪