みやこやスタッフブログ 振袖について

長襦袢って何? 振袖で絶対着なきゃいけないの?

振袖を購入する際やレンタルする時などに、長襦袢も一緒にと勧められたご経験はありませんか?

普段着物を着ない世代にとっては役割や必要性がよく分からないものですよね。
無くても良いんじゃないの?必ず必要なもの?肌襦袢とは違うの?と考えていらっしゃる方も居るかも知れませんが、長襦袢は振袖の着姿を決める時に欠かせない大切なアイテムです。

着物の襟からちらりと見えるおしゃれな半襟は個性を出す事ができますし、袖がなびいた時に見える振りなどは振袖でなければ見せることができない着こなしなのです。

今回はこの長襦袢について栃木県足利市、群馬県太田市に店舗を構える「みやこや」のスタッフMがご説明します。
購入やレンタルを迷われている方もいらっしゃると思いますが、この機会にお嬢さまの体形に合わせた長襦袢をご準備されてはいかがでしょうか。

 

長襦袢の特徴・役割

 

長襦袢はスーツで言うところのYシャツの役割です。

順番としては下着の役割をする肌襦袢、長襦袢、振袖の順番で着ていきます。
洋服と違い、紐で留めて着ていく着物は着崩れをおこすことがありますが、長襦袢を着る事で着崩れを防止してくれる役割があるのです。

その他にも歩いた時の裾さばきがきれいになり、袖口から腕が丸見えになるのを防いでくれます。
振袖特有の長い袖を振った時などに、ちらりと長襦袢の色味が見えることで着物の柄が際立つのも良いですね。

また格の高い十二単のように着物を何枚も着ているように見せる事ができるので、重ね衿を付けたり長襦袢に半襟を縫い付けて襟元を華やかな色で飾る事ができるのも長襦袢ならではですね。

 

 

見た目だけではなく防寒や汗、皮脂、汗染み防止など実用的な役割もあるのが特徴といえるでしょう。長襦袢の素材は正絹、ポリエステルなどがありすでに仕立てが完了している仕立て上がりや、反物からサイズを測って作るお仕立てがあります。

長襦袢は着付けの土台をつくる大切な役割をしていますので、長襦袢の着付けが綺麗にされていないと上に着る振袖の着姿まで違和感が出てしまうほど重要なものなのです。

長襦袢の振りが短すぎると振袖の袖口から襦袢の袖が出てしまったり、逆に長すぎると振りの中に襦袢の袖のたわみが見えてしまい何とも格好がつかない着姿になってしまいます。
きれいに振りが収まり、半襟の見せたい部分を丁度良く出すためにはお嬢様の体形や振袖のサイズに合わせる事が大切ですね。

 

長襦袢と肌襦袢の違い

長襦袢と肌襦袢は間違われる事が多いのですが別の物です。
「長襦袢の特徴」でご説明した通り、長襦袢がスーツで言うYシャツの役割であるように肌襦袢はキャミソールやインナーの役割で、直接肌に触れるものでもありますのでガーゼやさらし、ネルなど吸水性があり優しい素材でできています。

上下別になっている肌襦袢と裾よけ、もしくは一体になったワンピースタイプがあり数千円で購入できるものがほとんどです。

長襦袢の素材は正絹など簡単には洗う事が出来ない素材なので肌襦袢を着ることで長襦袢や振袖に汗などの汚れが付きにくく、肌襦袢はすぐに洗う事ができるといった特徴をもっています。

 

長襦袢の種類

素材は正絹、綸子(りんず)、ちりめんなどがあり通常正式な礼装では襦袢は白である事が多いのですが、振袖の場合豪華な絵柄をより引き立たせる半襟や、振りから少し見える長襦袢の袖がポイントでもあるので、成人式で着る場合は格式にとらわれず、おしゃれに自分らしく着こなして頂いて問題ありません。

 

淡いピンクやクリーム色、ぼかしなどですと上品になりますし、はっきりとした色味や柄が入ったものなどは個性を出す事ができます。
成人式のあとに結婚式のゲストとして着る場合、花嫁より目立つ事はタブーとされていますので派手な色や柄の入った長襦袢は着る事ができないのです。

今後を見越してお仕立てされる場合は白の長襦袢をご準備されると良いのではないでしょうか。
また訪問着用の長襦袢に仕立て直す事をお考えの場合も白や淡いピンクを選ばれると着る機会が増えるでしょう。

 

長襦袢のお手入れと保管

長襦袢の素材はデリケートなものが多いので、着物を脱いだ後はハンガーにかけて風通しの良い日陰で1~2日湿気を飛ばすとカビが発生しにくくなります。

しわを伸ばしてたたみ「たとうし」とよばれる和紙の着物を収納するための包み紙に入れて収納します。
桐のたんすや衣装ケースで保管するのが理想なのですが、お持ちでない場合は日光の当たらないタンスに平置きにしてなるべく上段で保管するようにしていただくのがよろしいかと思います。

下段の場合は湿気や埃が入りやすくカビや虫食いの原因となる事が多いためです。

また、年に1~2回はハンガーにつるして日陰乾しをし、防虫剤の入れ替えをしていただく事で長く着る事ができますのでお嬢様の娘様やお孫様の代に受け継ぐ事も可能なのです。

 

長襦袢のたたみ方

たたむ前の準備として長襦袢が十分広げられるように広い空間を選んでください。

長襦袢を広げる場所に汚れや埃などがないか、ご自身の手に汚れやハンドクリームの油分が無い事をご確認ください。襟芯や半襟は外しておきましょう。襟芯はくるくると丸めて保管します。

・ご自分の正面左手側に襟、右手側に裾になるように前身ごろを閉じて置きます。
・手前の脇縫いの上と裾側を持ち上げて中央(背縫いの辺り)に合わせてたたみます。
・今たたんだ側の袖をご自身側に2/3ほど折り返します(身頃から袖がはみ出ないように注意してください)
・ご自身から見て奥の脇縫いの上と裾を持ち、同じように中央に合わせてたたみます。
・袖を奥に向かって2/3ほど折り返します。
・裾を持ち袖の下に合わせてたたみます。
・今たたんだ同じ長さで襟の上までもう一折します。

 

まとめ

振袖を着てしまえば見える事のない長襦袢は必要が無いと思われることも多いのですが、振袖に長襦袢は必ず必要なものなのです。
後から揃えようと思うとサイズが分からなくなってしまったり、着物に合わなかったりもするので振袖と一緒にご準備されることをおすすめします。

長襦袢には襟を立たせるための衿芯や華やかな半襟などがついていて振袖の顔回りに近い所の着付けを決める大切な部分でもあります。

お写真を撮る時などは必ず写る場所でもありますので、よれやはだけがあるとせっかくの振袖が美しく見えなくなってしまいますね。

長襦袢を着る事で立ち姿や動き、所作が美しく見えますのでお嬢様の個性を生かした大人の女性としての立ち居振る舞いにふさわしい着こなしができるのではないでしょうか。

 

 

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